2019/12/22 – 女川さかな手帖

女川七十二候:冬至 │ 初候[ 海鞘産卵 – ほやさんらんす ]

さあ、いよいよ今年も残すところあとわずか。

二十四節気「冬至」の末候は、七十二候では「乃東生 (なつかれくさしょうず)」です。
乃東とは、冬に芽を出し夏に枯れる、紫色の花を咲かせる「うつぼくさ」のことだそうです。
そんな時期の「女川七十二候」は「海鞘産卵 (ほやさんらんす)」です。

ほやは、知れば知るほど興味深い生き物です。
貝ではありません。生物学的には、尾索動物亜門・ほや綱に分類されるそうです。

その味わいも、ほかの食べ物には絶対にない特徴がありますよね。
つくづく不思議な生き物です。

三陸でほやといえば「まぼや」のことを指しますが、ほやは雌雄同体で、ちょうど冬至の頃、出水孔から精子と卵子を交互に出します。
ほやには、ツノのようなものがふたつあり、ひとつは(+)、もうひとつは(-)の形を
しています。(+)が入水孔、(-)が出水孔です。

以前、漁師さんから「ほやはクリスマスイブの夜に産卵するんだよ」と言われ、ロマンチックだなあと思ったのを覚えています(^-^)

受精し2日ほどたった幼生は自分で泳いで養殖用のロープや牡蠣殻にくっつき、その後はそこで動くことなく大きくなり、一生を過ごします。

それから二年半ほどで、美味しいほやとなり、出荷されます。