2020年3月 – 女川さかな手帖

シラウオとおすすめの食べ方

お店に行くとシラウオが置いてありました。ここら辺の地域では春を告げるお魚として知られています。

漢字で白魚と書き、シラウオと読みます。シロウオは別の魚なので注意してください。

その季節その季節で旬のものを獲るような小規模の漁師さんが獲るものの一つで、牡鹿半島より南、松島湾のあたりへ産卵のため河口に戻ってくるところを目の細かい刺し網で漁獲します。

体は無色透明で、5cm〜10cmの細く小さな魚、腹側に二列の小さい点が縦に並び、黒く小さな目が可愛いらしいおさかなです。

短命で、寿命は大体1年。

産卵が終わるとその生涯を終えてしまいます。

生きているときは透明で死ぬと白くなり始めますが、火をいれると完全に白くなります。

 

江戸前の魚の常連で寿司や天ぷらで古くから親しまれてきた魚。隅田川でも獲れていたといいいます。

そして地元のおすすめの食べ方は

  • お吸い物
  • 刺身
  • 卵綴

ということで早速作ってみました!

 

 

・卵とじ

 

めんつゆをつかえば簡単にできます。

めんつゆとお水を1対2で混ぜたものをひと煮立ちさせてからシラウオを加えて色が白くなってくるくらいで溶き卵を投入。

卵の固まり具合は好みで変えていいと思います。

物足りなかったのでねぎを入れてみました。

これをごはんの上にかけて丼ものにしていただきました。

白身魚のほくほく感ととろっとした卵が絡み合ってうましです!!!

 

 

・お吸い物

カンタンにするためにお湯を入れるとできるインスタントのお吸い物に先ほどのシラウオを入れてみました。

シラウオを事前に洗ってぬめりをとっておくと臭みがなくなり、より美味しくいただけます。

生食用のものを買って半生くらいで食べるのがとてもおいしいです♪

 

・刺身

生食用のものを酢醬油でいただきました。しょうがを少し加えるとgood!

生シラスに近いイメージです。他の白身魚にはない良さがあります。

 

旬は4月ごろまで続きますので是非この機会に食べてみてくださいね!

魚を買う、ということ

ウーーーーンというサイレンが入港の合図。

 

漁を終えた船が港に入ってきます。

 

その後5分もしないうちに船から水揚げが始まります。

 

魚種や大きさによる選別がない場合、1つ目にタンクに入った魚をサンプルとして、その中の魚の大きさや種類の割合、鮮度などを見極めて大体の値段のあてをつけておきます。

 

このタンクのサンプルで船の中全体の魚の様子を予測するのです。

 

 

入札会場にタンクが運ばれている間も買受人はその目を魚から離さず、中の様子を観察します。

見た目が良いだけの魚もいるので、触ったりして確認する人もいます。

 

サンプルが入札会場につくやいなや、入札開始のベルが鳴り響きます。

 

このベルがやむまでに値段と量を書いて窓口に提出しなければなりません。ここまでで水揚げから5分とたっていません。

 

そんな素早さで値段を決めて投函する。

ベルがやむと緊張の一瞬です。

「マルイシ(屋号)40円 20トン」

などと高い順から呼ばれ、魚を買うことができます。

魚を買うことができなければ仕事がありませんので、この調達の仕事は魚屋の要ともいえる重要な仕事の一つです。

それをわずか5分足らずで素早く決めていく。魚の大きさ、鮮度、割合、用途、相場・・・そういったことを考慮して値を決めるのはプロにしかできない大変な仕事。

 

普段は優しい買受人たちも水揚げが始まると空気感が違います。

 

大切なのは「魚と対話すること」。

 

どうやって運ばれてきたのか、いつ獲られたのか、魚の状態を見ればすぐにわかります。

 

そうすることで最適な処理の仕方を考えながら毎日違う対応をしていくのがプロの魚屋の仕事です。