2024/4/26 – 女川さかな手帖

ほたてに含まれる栄養素がすごい!驚きの健康効果や1日の適量、おすすめ調理方法もご紹介

ほたて 栄養 トップ画像

プリッとした食感に、あっさりした甘みが特徴のほたて。
実は美味しいだけじゃなく、体に嬉しい栄養素をたくさん含む優秀な食材なんです!
高タンパクで低カロリーなほたては、ダイエットのおともにもぴったり。

今回はほたての栄養素について徹底解説。
成分を逃さず食べられる摂取方法や1日の適量についてもご紹介します。
ほたてを健康に、美味しく味わいましょう!

ほたてが含む栄養素と期待できる効能

ほたては亜鉛や鉄分といったミネラル、ビタミンB群など栄養素が豊富で、健康づくりを支えてくれる食材です。
ほたてに含まれる主な栄養素は以下の通り。

  • ・タウリン|肝機能を高める
  • ・カリウム|むくみを改善
  • ・亜鉛|美肌・美髪の味方
  • ・ビタミンB1|疲労回復効果
  • ・ビタミンB12|貧血予防に効果的
  • ・各種アミノ酸|美味しさの源

まずは、ほたての栄養成分が健康にもたらす効果について解説いたします。

肝機能を高めるタウリン

栄養ドリンクでよく見かける成分の「タウリン」。
ほたてをはじめとする魚介類に多く含まれています。

タウリンは人間の体にも0.1%存在し、心臓や肺、脳、肝臓、脊髄などのさまざまな臓器に分散しています。
そのため、タウリンをしっかり摂ることで心臓や肝臓などのはたらきを高めることが期待できるのです。
お酒の量が増えそうな時には、ほたてを一緒に食べると二日酔いになりにくいかもしれません。

また、タウリンは胆汁酸と結びつくはたらきをもっています。
胆汁酸の原料はコレステロール。
タウリンが胆汁酸と結びついて排出されると、血中のコレステロールは消費されます。
つまり、タウリンを摂取してコレステロールが消費されると、血液サラサラ効果が期待できるということ。
生活習慣病対策として良い働きが注目されているのです!

ちなみに、タウリンは体内でも作ることができるのですが、体内で作る量では必要量には足りないと言われています。
健康を保つためには、食品からも取り入れていく必要があります

出典 タウリン | e-ヘルスネット 情報提供

むくみを改善!カリウム

ほたてはカリウムも豊富に含んでいます。
カリウムは血中のナトリウム(塩分)を体外に排出する作用があるため、高血圧の予防に効果的です。
余分な水分を排出する働きもあるので、むくみの改善にもつながります。
カリウムはほたての中でも特に、貝柱に多く含まれています。

また、ほたてはカリウムの他にマグネシウムも含む、ミネラル豊富な食材。
どちらも血管をやわらかくする栄養素として知られ、カリウムとマグネシウムを適切に摂取することで、血圧を下げ、心臓病のリスクを下げるとも言われています。

出典 カリウム|e-ヘルスネット 情報提供

美肌・美髪の味方、亜鉛

ほたて100g中、2.7mg含まれる亜鉛は、細胞をつくったり代謝を助けたりする酵素のひとつです。
肌や髪などを健康的に保つはたらきを持ちます。

また、亜鉛は血糖値を下げる働きや免疫反応にも関係するため、不足すると全身にさまざまな症状が現れてしまいます。
特に注目されているのは、舌にある、味を感じる味蕾(みらい)という細胞を作るのに関与していること。亜鉛が不足すると味覚障害になってしまうことも。

出典 カラダと食べ物 亜鉛を多く含む食品

疲労回復♪ビタミンB1

ほたてには100gあたり0.05mgのビタミンB1が含まれています。
ビタミンB1は糖質が代謝され、エネルギーに換わるのを助けるはたらきを持っています。エネルギーがうまく作られないと、疲れやすさや食欲不振の原因に。
ビタミンB1を摂ることで疲労回復効果が期待できますね!

また、ビタミンB1には脳内の神経伝達物質を正常に保つはたらきもあります。
そのため、ビタミンB1をしっかり摂取することで、集中力アップにも効果が見込めます!

出典 食品成分データベース

貧血を予防!ビタミンB12

ほたてには100gあたり、ビタミンB12が11.4μg含まれています。
ビタミンB12は、血液の成分であるヘモグロビンという成分を作るのに関与しています。
不足すると貧血や体力低下を引き起こしてしまいますので、しっかり補給したい栄養素ですね。

出典 文部科学省「日本食品標準成分表(八訂)増補2023年」

美味しさの源♪各種うまみ成分

ほたてには、美味しさの源となる多くのアミノ酸が含まれています。
アミノ酸はほたて特有のうまみを生み出す他、健康にも優れたさまざまな働きを担っています。

ホタテに含まれる主なうまみ成分 主な働き
グルタミン酸 昆布や野菜類、チーズなどの発酵食品に多く含まれるアミノ酸系のうまみ成分
イノシン酸 肉や魚、かつお節などに多く含まれる、核酸系うまみ成分
グリシン ほたてならではの甘みを感じさせる成分。自然な深い眠りに入るのを助ける効果を持つほか、コラーゲンの1/3を構成しているアミノ酸。
アルギニン 疲労回復や筋肉を増強する、パワー系アミノ酸
アスパラギン酸 新陳代謝を活発にする、疲労回復、スタミナの増強

ほたてはうま味成分が食事の満足度を高めるだけでなく、健康維持に役立つ便利な食材であることがわかりますね。

出典 北海道ほたて漁業振興協会「究極のヘルシー食材「ほたて」の健康パワー大解剖」私たちのカラダをつくるアミノ酸の種類うま味の成分

ほたては栄養たっぷりなのに低カロリー!

次に、ほたての可食部100gあたりの栄養価を、お肉と比較してみました。

※スマートフォンの方は横スクロールで表をご覧になれます

エネルギー
(kcal)
水分(g) タンパク質(g) 脂質
(g)

(mg)
亜鉛
(mg)
ビタミンB1(mg) ビタミンB12(μg)
ほたてがい(生) 66 82.3 13.5 0.9 2.2 2.7 0.05 11
ボイルほたて 89 76.8 17.6 1.9 2.8 3.1 0.04 18
ほたて貝柱 82 78.4 17.9 0.3 1.3 1.5 0.01 1.7
ほたて干し貝柱 301 17.1 65.7 1.4 1.2 6.1 0.12 5.2
ほたてがい缶詰 87 76.4 19.5 0.6 0.7 2.7 Tr 2.6
うし(肩ロース) 380 47.9 13.8 37.4 0.7 4.6 0.06 1.1
ぶた(肩ロース) 237 62.6 17.1 19.2 0.6 2.7 0.63 0.5
若鶏(もも) 190 68.5 16.6 14.2 0.6 1.6 0.1 0.3

参照:文部科学省「日本食品標準成分表2020年版(八訂)」

なんと、ほたてはお肉に比べて圧倒的に脂質が少なく、低カロリーな食材なんです!
一方で豊富に含まれるタンパク質や亜鉛は、加熱や乾燥などの加工をしてもあまり減りません。
干し貝柱などは乾燥して重さが減った分、相対的な栄養価が高くなっていますね。

糖質(=炭水化物)も低いため、低糖質ダイエットの強い味方です。ダイエット中は貧血になりがちですが、ほたてならビタミンB12と葉酸、鉄分も含まれていて安心。

高タンパク・低脂質に加えて、栄養補給をサポートしてくれる点も、ダイエット中にほたてを積極的に摂取したい理由の一つです。

ベビーほたてや冷凍ほたては栄養素が低い?

スーパーの鮮魚売り場などで見かけるベビーほたて。
その名前の通り「ほたての稚貝」で、生後1年ほどで収穫したものを指します。

サイズは小さくても、種類は同じなので栄養や成分は変わりありません。
ほたて特有の旨みもしっかりと感じることができます。

では、どうして成貝になる前のベビーほたてが売られているのでしょうか?
実は、ほたてを育てる過程で、小さなほたてを間引いていく必要があるのです。
ほたてを大きく育てるためにどうしても生まれてしまう稚貝を無駄にしないために、ベビーほたての状態で販売しているというわけです。

ベビーほたては貝柱以外の「ひも」の部分も一緒に食べるので、食感や風味の違いを楽しめます。
サイズが小さいので切らずに調理ができ、食べやすいのもその魅力。
サラダにトッピングしたり、お味噌汁や炊き込みご飯に入れても美味しいですよ。

次に冷凍ほたてに関してですが、ほたてを冷凍することで栄養素が大きく減ることはありません。
冷凍ほたては賞味期限が長く、いつでもほたてを楽しめるというメリットもあります。

ベビーほたてや冷凍ほたてでも、ほたての豊富な栄養素を十分に摂取できますよ!

ほたての豊富な栄養素、こんな方におすすめ!

ほたてに含まれる主な栄養素と、健康効果について触れてきました。
栄養満点かつ低カロリーなので、こんな方はぜひお食事に取り入れてみてはいかがでしょうか?

  • ・お酒を飲むことが好きな方、生活習慣病対策を美味しく楽しく行いたい方
  • ・美容を楽しみたい方
  • ・貧血気味な方
  • ・ダイエット中の方

ほたてを食べすぎると痛風になるって本当?1日の適量は?

結論から申し上げると、ほたてを食べすぎることが直接的に痛風を引き起こすわけではありません。

痛風は、体内の尿酸濃度が異常に高くなることによって引き起こされる疾患です。
痛風の原因はプリン体。
プリン体は体内で尿酸に変換される物質で、高プリン食品を多く摂取することで、痛風のリスクが上がる可能性があります。

ほたてにもプリン体が含まれていますが、一般的には高プリン体食品ではありません。
100gあたり76.5mgと、魚介類の中ではプリン体が少ない食材といえます。

出典 プリン体 | e-ヘルスネット 情報提供高尿酸血症.jp

一方、ほたてに多く含まれる亜鉛は、過剰摂取によって胃の不調に繋がる可能性があります。

生のほたては、約1個(100g)あたり2.7mgの亜鉛が含まれています。
1日あたりの亜鉛の平均摂取推奨量は成人男性で11mg、女性で8mgであるため、男性は1日に4つ、女性は3つが適量といえます。

ほかの食べ物もバランスよく摂りながら、ほたては適度な量を楽しむようにしましょう。

出典 文部科学省「日本食品標準成分表2020年版(八訂)」、公益財団法人長寿科学振興財団「亜鉛の働きと1日の摂取量」

栄養素を逃さない調理のコツ

栄養満点なほたて。せっかくなら栄養素を余すところなく、美味しくいただきたいですよね。
ほたてを調理する際は、水に溶けやすい栄養素を無駄にしないことが大切です。

タウリンやビタミンB類(ビタミンB1、ビタミンB12)は、水に溶けやすい性質を持っています。
そのため、茹でる調理法だとせっかくの成分が水に溶け出してしまうことに……。

お刺身のほか、炒めものや煮込み料理など、ほたてエキスをまるごと摂取できる調理法が特におすすめです!

調理法 料理の一例
生で食べる お刺身、カルパッチョ
炒める ほたてのバターソテー
煮込む 炊き込みご飯、パスタ、シチュー、カレー

栄養満点のほたてを美味しく食べよう!女川さかな手帖厳選・大きく肉厚な三陸ほたて

ほたて 栄養 商品紹介

リアス式海岸で知られる三陸の海。
ここで育つほたては、山から流れ込むミネラルによってプランクトンが上層に集まり、貝柱が大きく肉厚で、うまみと甘みをたっぷり含んでいます。

女川さかな手帖では朝水揚げしたほたてをその日のうちに、細胞を壊さないCAS技術で生食用貝柱に凍結しています。
たっぷりの栄養と濃厚なうまみを、そのままご自宅へお届けします!

【三陸逸品】三陸産鮮冷ほたて貝柱(CAS凍結)500g(15ー18粒入り)

【三陸逸品】三陸産鮮冷ほたて貝柱(CAS凍結)1kg(31ー35粒入り)

栄養や効能を知って、ほたてを美味しく味わおう!

今回の記事では「ほたての栄養」について、さまざまな観点から解説しました。

高タンパクで低カロリー、タウリンにカリウム、亜鉛など健康な体を作る栄養素を豊富に含んだほたて。

栄養を逃さず効果的に摂取するためのポイントを押さえ、ぜひほたての美味しさを味わいながら、たっぷり栄養補給しましょう!